外反母趾の原因は?なりやすい人の特徴も詳しく紹介

2024年03月25日

外反母趾は、進行すると痛みも強くなり、他の指にまで影響が及んで歩行障害につながる可能性もある病気です。

外反母趾の痛みや足の変形にお悩みの方や、「最近足が痛むけどもしかして外反母趾?」と不安に感じている方に向けて、今回の記事では外反母趾の原因について詳しく解説します。原因を知り、予防と正しい治療を受けることが大切です。

 

監修:全身ほぐし研究所サルヴァドローレ中嶌

外反母趾とは

外反母趾は、足の親指が小指側に変形し「くの字」になる状態です。靴を履くときや歩くときに痛みがでたり、変形した部分が靴の圧迫されたり擦れたりして炎症を起こします。

痛みの他にも、足の指が動かしにくくなったり腫れたりして、腫れが神経を圧迫すると足にしびれがでることもあります。悪化すると歩行に影響がでることもある進行性の病気です。

 

外反母趾については以下の記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。

外反母趾にインソールは効果的?選び方やメリットなども紹介

外反母趾の治療法|保存療法・手術・予防法について徹底解説

外反母趾になる主な原因

外反母趾になる主な原因は、以下の3つが挙げられます。

  • 遺伝
  • 足の骨格構造の崩れ
  • 履物(靴)

外反母趾は、「遺伝」に加えて「足の骨格構造全体」が原因のため、足趾(そくし。足の指のことを指します)だけではなく足全体の構造の崩れを改善することが重要です。

その骨格構造の崩れを助長するのが「履物」。つまり足の環境です。

遺伝するのは「外反母趾になりやすい足の骨格や構造の弱さ」なので、早めに正しい予防法を取り入れることで防止したり進行を止めることにつながります。

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

遺伝

外反母趾になる大きな原因は遺伝です。親族や両親、兄弟に外反母趾の症状の方がいる場合は、外反母趾になりやすい遺伝子が受け継がれている可能性があります。しかし遺伝要因をもっているすべての人が外反母趾になるわけではありません。生まれつき「外反母趾になりやすい足の構造の弱さ」の遺伝に加え、気付かないうちに足の骨格構造を崩してしまう生活習慣なども関係しています。

ご自身が外反母趾でお悩みの場合は、お子さまの足の環境を小さいうちから整え、予防してあげることで発症を防ぐことにつながるかもしれません。

足の骨格構造の崩れ

外反母趾は、足趾だけの問題ではなく足の骨格構造全体が崩れたことでも発症します。

外反母趾の方のレントゲン写真を見ると、親指につながる足の骨(中足骨)が開いていることがわかります。これは足の5本の指をつなぐ横アーチが崩れ、『開帳足』となった状態です。さらに、足の骨格構造はとても弱く、日本人の8割が『過回内(かかいない)』という必要以上に足が内側に倒れている状態といわれています。この『過回内』は土踏まず側にある内側の縦アーチが崩れる『扁平足』の状態です。

『開帳足』『扁平足』『過回内』はいずれも足の骨格構造が崩れている状態で、どれが起こっても歩行時の踏み返しのときに親指の付け根に大きな負担がかかります。すると親指の付け根にある関節が、踏み返しの外力を横に逃がすため外側に曲がってしまうのです。

したがって、男性や女性、子どもの場合でも、外反母趾になる可能性はあります。

足の骨格構造とは

人間の足の骨格は片足28本の細かい骨で構成されていて、強固な石橋のように堅く組まれ縦と横のアーチ構造を作っています。立ったり歩いたりするときは、自動で構造を崩し衝撃に対応し柔軟性を高め、堅く正しテコの原理で蹴り出し前進する構造の変化を瞬時に切り返す特殊機能を持っているのです。

しかし、瞬時に骨格構造をゆるめたり正したり切り返せる反面、崩れやすいという弱点も持っています。さらにかかとの骨は丸く倒れやすく少し外側に位置し、土踏まずには骨がないため、横に倒れやすい構造でもあります。この弱点から、骨格構造は崩れやすいのです。骨格構造は実は靴が無いと正しく保てないといわれています。足の骨格構造を崩さないためには、足の環境、つまり履物(靴)が重要になってきます。

履物(靴)

上述したように、外反母趾の原因になる遺伝子や足の骨格構造の崩れに大きく影響するのが、履物(靴)です。

履物の選び方、履き方、室内外での履物の有無によっても、外反母趾の発症、症状、進行のスピードに影響を及ぼします。

過回内の人は約7割、日本人だけにフォーカスすると約8割というデータがあるように、現代人の足は実は靴なしには正しく立てず正しく歩けないといわれています。

過回内は『開帳足』や『扁平足』にもつながるため、これらの足の骨格構造の崩れを助長するのも防止するのも履物を含める足の環境が重要です。

サイズの合わない靴を履いたり室内で素足で過ごしたりすることは、過回内を引き起こしやすい環境となり、外反母趾の原因のひとつです。

外反母趾に悩む方は、靴を履く際に足の出っ張った部分が当たったり擦れたりして痛みにつながるため、大きめ靴や柔らかくゆるいフィット感の靴を選びがちですが、これも足の骨格構造を崩す環境のひとつです。

また、せっかくこだわって購入した靴でも、紐を毎回結ばずにズボッと足を入れる履き方をしていると、紐はいつしかゆるみ、ブカブカな靴と同じ環境になります。

外反母趾になりやすい人の特徴

本項目では、外反母趾になりやすい人の特徴をご紹介します。

  • 親も外反母趾に悩んでいる人
  • つま先が細く幅が狭い靴をよく履く人
  • ブカブカの靴、脱ぎ履きのしやすい靴を履いている人
  • 足のサイズ・幅・形に合っていない履物を履く人
  • 扁平足気味の人

上記でも解説した通り、親が外反母趾に悩んでいる人は自身にも外反母趾になりやすい遺伝子が受け継がれている可能性があります。また、上記のような履物をよく履いている人も注意が必要です。

これらの特徴に当てはまる方は、一度ご自身の足の環境を見直してみてください。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

つま先が細く幅が狭い靴をよく履く人

つま先が細く幅が狭い靴の先の形と自分の足のつま先の形は同じですか?足の形より狭い靴は、足の親指を人差し指側へ圧迫します。このような靴に足を押し込むようにして履いていると、外反母趾を助長させる可能性があります。日常的に履いている人は要注意です。

ブカブカの靴、脱ぎ履きのしやすい靴を履いている人

足の指は、以下の3種類に分けることができます。

  • スクエア型:指の長さがほぼ均一
  • ギリシャ型:人差し指、または親指が一番長い
  • エジプト型:親指が一番長く、小指にかけて順番に短くなる

外反母趾の症状がある方は痛いところが当たらないように大きめの靴を選ぶ傾向がみうけられます。また靴のひもを結んだまま足を入れて履いたり、スリッポンやサンダルなど履きやすく脱ぎやすい靴を履いている人は、靴の中で足が動きやすく大きめの靴と同様ブカブカの状態です。

この足の環境では靴の中で、外反母趾の原因のひとつである過回内や骨格構造が崩れを起こしやすくなります。

靴は足の長さ・幅・形に合ったものを選び、靴ひもでしっかり靴を足にフィットさせることが外反母趾のお悩み解消には大変重要です。

足のサイズ・幅・形に合っていない履物を履く人

ハイヒールは外反母趾の症状をつくる中足骨に体重が集中します。この状態は足の中足骨の間が開き親指の骨がくの字に曲がることの助長にもつながると考えられます。さらに、足が靴の先端に向かって滑り、指先全体が狭い部分に押し付けられるようにして圧迫されるため、外反母趾の発症や進行への可能性があるのです。

とはいえ、ハイヒールを履いている人が全員外反母趾になるわけではありません。サイズの合わないハイヒールを日常的に履くことももちろん要因にはなりますが、上述したように、遺伝によるもともとの足の骨格など、複数の要因が積み重なって発症します。

どうしてもヒールを履きたい場合は、4cm以下の高さのヒールや、安定性のある太めのヒール、足の甲を包むストラップのあるものやブーティを選ぶことをおすすめします。

扁平足気味の人

扁平足とは、足の裏の土踏まずが潰れて足裏が平らになった状態のことを指します。また足の指の間が開き平らになる『開帳足』は横アーチの偏平足です。

扁平足の人は、足が横に広がっているぶん靴が狭くなり、足先が圧迫されやすくなります。扁平足は生まれつきの人もいますが、歩き方や運動不足などの足の環境や履き方などの習慣によって後天的になることもあるため注意が必要です。

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店名 全身ほぐし研究所 サルヴァドローレ(SALVADOLORE)
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まとめ

今回の記事では外反母趾の原因について詳しくご紹介しました。

  • 外反母趾になる主な原因は「遺伝」「足の骨格構造の崩れ」「履物(靴)」
  • 外反母趾になりやすい人の特徴は
  • 親も外反母趾に悩んでいる人
  • 足の長さ・幅・形に合っていない履物を履く人
  • 扁平足気味の人
  • ブカブカの靴、脱ぎ履きのしやすい靴を履いている人

外反母趾の原因は遺伝もありますが、足の骨格構造に負担をかけやすい靴を日常的に履き続けていると発症しやすくなります。次回の記事では、外反母趾におすすめな靴の選び方や靴の履き方について詳しく解説します。次回もぜひご覧ください。

 

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